平成25年11月19日〜21日に北海道大学学術交流会館で開催された第50回環境工学研究フォーラム(土木学会主催)において、環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年の石原佑樹君の研究発表が環境技術・プロジェクト賞を受賞、窪田恵一助教の研究発表が優秀発表ポスター賞をそれぞれ受賞した。
今回受賞した研究は、いずれも革新的な廃水処理プロセスへの展開が期待されて近年大きな注目を集めている微生物燃料電池を対象としており、環境創生部門の渡邉智秀教授と窪田恵一助教が共同で進めている研究の成果である。「エアカソードの拡散性能変化による微生物燃料電池への影響評価」と題した窪田助教の研究発表は、一槽式MFCの出力性能に対するエアカソードからの酸素透過フラックスの影響を実験的に明らかにして、時間経過に伴って性能低下をもたらす原因を突き止めるとともにその対応方法を提案して有効性を実証した。一方、「充填層型脱窒バイオカソードを適用したMFC性能への影響因子」と題した石原君の研究発表は、微生物燃料電池のカソード反応に酸素を電子受容体とするのではなく硝酸イオンを用いた生物学的脱窒反応(脱窒バイオカソード)を適用して廃水からの有機物除去と窒素処理に合わせて電気エネルギーを回収する新しい処理方法の基本的特性と性能向上のための因子を実験的に明らかにした。いずれの研究もこれをきっかけに一層の発展が期待される。なお、石原君は、窪田助教が受賞した研究の基となる実験を卒業研究で取り組んでおり、その意味でW受賞である。日頃の真摯な研究への取り組みや継続的な努力が実を結んだ喜ばしい結果といえる。
受賞した石原君(左)と窪田助教(右) |