2012年11月28日〜30日
　第49回環境工学研究フォーラム（土木学会主催）

   平成二十四年十一月二十八日〜三十日に京都大学百周年時計台記念館で開催された第四十九回環境工学研究フォーラム（土木学会主催）において、社会環境デザイン工学専攻博士前期課程二年の田中千穂さんが渡邉智秀教授の指導を受けながら取り組んでいる研究の発表で優秀ポスター発表賞を受賞した。
　田中さんらは、微生物燃料電池のカソード反応に酸素を電子受容体とするのではなく硝酸イオンを用いた生物学的脱窒反応（脱窒バイオカソード）を適用して、廃水からの有機物除去と窒素処理に合わせて電気エネルギーを回収する革新的な廃水処理プロセスの開発を進めている。本系の出力はカソードにおける脱窒速度に強く依存するというこれまでに得た知見を踏まえて、受賞対象となった研究発表では、充填層型構造を有する脱窒バイオカソードを作製しその性能向上効果を実証するとともに、電極の材質や細孔構造、植種源ならびに通水負荷条件との相互関係に基づいてさらなる高性能化への因子を明らかにした。田中千穂さんは、本年3月の年会優秀発表賞（クリタ賞）（主催：日本水環境学会）に続く受賞で、真摯な研究への取り組みや継続的な努力が実を結んだたいへん素晴らしい成果である。