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ニュースnews研究室からのお知らせ

2012年3月14日〜16日 第46回日本水環境学会年会

   平成二十四年三月十四日〜十六日に東洋大学白山第二キャンパスで開催された第四十六回日本水環境学会年会において、社会環境デザイン工学専攻博士前期課程一年の田中千穂さんが年会優秀発表賞(クリタ賞)を受賞した。
 本賞は、日本水環境学会年会への口頭発表申込に合わせて応募のあった大学院前期課程在学中の学生会員を対象として、講演要旨による第一次審査と第一次審査通過者による口頭発表とは別に年会開催中に実施されるポスター発表に対する最終審査の二段階審査で研究奨励に値する特に優秀な研究発表者に対して授与される。環境工学研究室では、昨年の篠木一真君(大学院前期課程二年(当時))に続いて連続の受賞となった。
 田中さんの発表題目は、「脱窒バイオカソードを用いた微生物燃料電池に及ぼす操作条件の影響」で渡邉智秀教授の指導を受けながら進められた研究である。微生物燃料電池のカソードでは通常、酸素を電子受容体した反応が利用されているが、本研究では生物学的脱窒反応の適用を試みて、硝酸イオン減少速度に応じた高い効率で電気的出力が得られることを実証するのみならず、広範な条件で地道に実施した実験結果に基づいて、電極面積、電極構造、微生物馴致方法が出力性能に及ぼす影響を明らかにした。種々の有機性廃水には通常、窒素成分が含有されているので、カソード反応の電子受容体として硝酸イオンを利用する微生物燃料電池が確立されれば、廃水の有機物および窒素処理に合わせて電力を回収する革新的な廃水処理プロセスへと展開していく可能性がある。審査は、十分な結果を得て適切に考察を行っているか等の研究の質に加え、研究内容に理解度やポスターの完成度等の多角的視点からの投票で決定する。この受賞は、田中さんの精力的に研究に取り組む日頃の努力が評価された結果であり、今後のますますの活躍と研究の進展が期待される。

(社会環境デザイン工学科 広報委員)

 

クリタ賞受賞者(集合写真)